「さまざまな看護の現場、そのリアルと魅力」──急性期病院で見つけた挑戦のステージ

川崎市立多摩病院/特定看護師 藤原晃子さん

「高度急性期の現場はハードすぎる」「家庭と両立は難しい」
そう感じている方こそ知ってほしい、川崎市立多摩病院での働き方。
特定看護師として活躍する藤原晃子さんは、20年の看護師経験の中で、子育ても大学院進学も両立しながら、キャリアを切り拓いてきました。
発表では、実践現場での役割から、制度活用の具体例、そして“看護師としての未来の描き方”まで、率直な言葉で語られました。

目次

多様な症例に触れながら、「全体を診る力」を養う

川崎市立多摩病院は、高度急性期医療の拠点病院であり、神奈川県の救急医療センターを併設。1日平均20件以上の救急車を受け入れるこの現場では、日々多様な患者と向き合います。

藤原さんが所属する「総合診療科」は、特定の臓器に偏らず、高齢の多疾患患者や診断前の救急搬送患者など、より複雑なケースを受け入れる診療科です。

「目の前の疾患だけを見るのではなく、患者さんの生活背景や社会的課題まで視野に入れる必要があります。“全体を診る力”が養われる科です」と話します。

特定看護師として、現場の判断力と実践力を強化

藤原さんは特定行為研修を修了し、現在は21区分・38行為を担う特定看護師として、医師の包括指示のもとで高度な看護実践を行っています。

  • 呼吸器管理(気管支鏡介助、抜管判断)
  • 褥瘡・創傷管理
  • 循環動態の観察と補液設計
  • 栄養管理(経口・経管調整) など

「現場で“今この処置が必要だ”と判断し、すぐに動けるのが特定看護師の強み。医師や他職種と連携しながら、チーム全体の動きをスムーズにする役割も担っています」と語ります。

子育てと大学院進学、そしてその先のキャリアへ

藤原さんは子育て中に大学院進学を決意。「仕事と家庭だけで手一杯」という状況を乗り越えるためには、職場の理解と仲間の支えが不可欠だったと振り返ります。

「川崎市立多摩病院では、特定看護師のキャリア支援がしっかり整っており、働きながら学びを継続する仕組みがあります。私自身、ライフイベントを挟みながらも、必要なステップを踏むことができました」

そして最後に、特定看護師という働き方について、こんな言葉を残しました。

「最初から“特別な人”なんていないんです。“こんなことをやってみたい”という気持ちがあれば、少しずつキャリアの道は開けていきます」


おわりに

「キャリア」と「生活」は両立できる。
藤原さんの発表は、急性期看護の現場においても、個人の意志や希望を大切にできることを教えてくれました。
特定看護師という選択肢は、看護師としての視野を広げる大きな一歩になるかもしれません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!