いざ転職を考えた時、最初のハードルとなるのが履歴書の作成ではないでしょうか。
「何年も書いていないから書き方を忘れてしまった」「希望条件ばかり書くとわがままに思われないか不安」と戸惑う人も多いでしょう。
履歴書は、自分の経歴や魅力を伝える大切な書類です。
正しいルールで気持ちが伝わる内容に仕上げることが大切です。
この記事では、地域のクリニックや自分のペースに合わせた働き方を目指す看護師に向けて、履歴書の書き方をわかりやすく解説します。
採用担当者が見るポイントも交えながら、自分の魅力と誠実さをしっかり伝えるコツをお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
看護師の履歴書の書き方|基本ルールと準備

履歴書は、人柄やこれまでの経験を、採用担当者にはじめて伝える大切な転職書類です。
まずは、作成に取り掛かる前の基本的なルールと準備について確認しましょう。
手書きとパソコン、どちらが良い?
手書きとパソコン、どちらで作成しても問題ありません。
自分の状況や得意な方法に合わせて選びましょう。
ひと昔前は「履歴書は手書きで誠意を伝えるもの」という風潮がありましたが、現在ではパソコン作成の履歴書も受け入れられています。
パソコンで作られているからといって、マイナス評価になることはほとんどないでしょう。
手書きの履歴書は、丁寧さや誠実さが伝わりやすいと感じる採用担当者もいます。
ただし、書き損じた場合に修正液や修正テープを使うのはマナー違反となるため、最初から書き直す手間がかかるのが難点です。
一方、パソコン作成の良さは、修正が簡単で読みやすい点にあります。
厚生労働省のサイトや転職サイトでは、無料で利用できる履歴書フォーマットも公開されています。
パソコン操作に抵抗がない人や、忙しくて書き直す時間を取るのが難しい人、複数のクリニックに応募を考えている人にはパソコン作成がおすすめです。
履歴書のサイズと用紙の選び方
応募先からサイズの指定があれば、指示に従いましょう。
指定がない場合は、一般的な「A4サイズ(見開きA3)」を選ぶと安心です。
履歴書のサイズには「A4サイズ(見開きA3)」または「B5サイズ(見開きB4)」の2種類があります。
A4サイズは、職務経歴書などほかの転職書類とサイズが揃うため、採用担当者が管理しやすいのがメリットです。
また、B5サイズに比べて記入欄が少し大きいため、志望動機や自己PR、これまでの経験をしっかりと書き込みたい人に適しています。
市販の履歴書にはさまざまなフォーマットがあるため、自分が書きやすいレイアウトのものを選びましょう。
証明写真の撮り方と身だしなみ
証明写真は、第一印象を決める重要なポイントです。
清潔感があり、明るく自然な表情が伝わる写真を用意しましょう。
服装は、スーツ、またはそれに準ずるきちんとしたジャケットスタイルが基本です。
色は黒や紺、グレーなどの落ち着いたトーンを選び、インナーには白のブラウスやカットソーを合わせると、顔まわりが明るく清潔に見えます。
「パートの面接だから私服でもいいかな」と迷う人もいますが、写真の服装はフォーマルに整えるのが無難です。
髪型も清潔感を意識しましょう。
前髪が目にかからないように流すかピンで留め、長い髪は後ろですっきりとまとめます。
メイクは派手すぎず、血色感をプラスする程度のナチュラルメイクを心がけてください。
撮影は、画質や背景が適切ならスマートフォン撮影でも問題ない場合がありますが、心配な人は写真館や証明写真機を利用すると安心です。
撮影から3か月以内の写真が理想です。
遅くとも6か月以内に撮影したものを使用しましょう。
万が一はがれた時のために、写真の裏面に名前を書いてから貼り付けます。
見本で解説!履歴書の各項目の正しい書き方
ここからは、履歴書の具体的な記入項目について、書き方のポイントを解説します。
基本的なルールを守りつつ、空欄を作らないように丁寧に埋めることが大切です。
日付・氏名・住所などの基本情報
基本情報欄は、正確かつ省略せずに書くことが鉄則です。
日付は、履歴書を提出する日を書きます。
郵送する場合はポストに投函する日、面接に持参する場合は面接当日の日付です。
また、履歴書全体で和暦か西暦のどちらかに統一しましょう。
氏名にふりがなを振ります。
履歴書の項目が「ふりがな」と平仮名で書かれている場合は平仮名で、「フリガナ」とカタカナで書かれている場合はカタカナで記入します。
住所は、都道府県名からマンション名・部屋番号まで省略せず、住民票などの正式な住所表記に沿って記載しましょう。
連絡先は、採用担当者から連絡を受けやすい携帯電話番号を記載するのがおすすめです。
学歴・職歴
学歴と職歴は、事実を正確に、時系列に沿って書きましょう。
いつの学歴から書きはじめれば良いのか迷う人も多いですが、一般的には高校入学から記載します。
ただし、中学校卒業から書いても問題ありません。
学校名は「高校」と略さず、「〇〇県立〇〇高等学校」と正式名称で記載します。
看護学校や大学も同様に、学部・学科まで正確に書きましょう。
職歴は、学歴から1行空けて「職歴」と中央に書き、その下からこれまでの勤務先を古い順に記載します。
病院名や施設名は正式名称で記載してください。
職歴欄に余裕があれば「外来勤務」「〇〇病棟勤務」など簡単な所属を添えると、経験が伝わりやすくなります。
転職回数が多いと、印象が悪くならないかと不安になるかもしれませんが、ごまかさずにすべて記載してください。
複数の診療科や医療機関で培った経験が評価される場合もあります。
退職理由は詳細に書く必要はなく「一身上の都合により退職」とするのが一般的です。
最後の職歴を記載したら、次の行の右端に「以上」と記載して締めくくります。
在職中の場合は、退職歴の代わりに「現在に至る」と記載しましょう。
免許・資格
免許・資格欄には、取得した年月が古い順に、正式名称で資格を記入してください。
看護師免許は「看護師免許 取得」と記載します。
免許取得年月は、免許証に記載されている登録年月日を記載するのが一般的です。
国家試験に合格した日や、学校を卒業した日ではないため注意しましょう。
准看護師から正看護師になった人は、両方の取得年月を順番に記載します。
そのほかにも、普通自動車第一種運転免許や、BLS・ACLSプロバイダーコースなどの蘇生関連資格、介護支援専門員(ケアマネジャー)など、業務に関連する資格があれば正式名称で記載しましょう。
本人希望記入欄
本人希望記入欄は、働き方の希望を伝える欄ですが、書き方には少し配慮が必要です。
絶対に譲れない条件のみを簡潔に書き、理由は添えるものの、謙虚な姿勢を見せることが大切です。
たとえば「子育てとの両立のため、夜勤はできません」とだけ書くと、冷たい印象を与えかねません。
この場合は「現在、保育園に通う子どもがいるため、平日〇時〜〇時までの勤務を希望いたします」のように、事情と希望する勤務条件を簡潔に伝えましょう。
可能であれば、継続して勤務できるよう工夫していることも添えると、採用担当者に安心感を与えやすくなります。
とくに希望がない場合は空欄にせず「貴院の規定に従います」と記載するのが一般的です。
給与などの待遇面は、応募先から指定がない限り履歴書には記載せず、面接や紹介会社を通じて相談しましょう。
【ケース別】看護師の志望動機の書き方・例文
履歴書のなかで、とくに頭を悩ませるのが、志望動機ではないでしょうか。
地域のクリニックや新しい働き方を目指す場合、大規模病院への転職とは少し違った視点が必要です。
ここでは、ケース別に例文を交えて解説します。
採用担当者の心を動かす志望動機とは?
採用担当者の心を動かす志望動機とは「なぜほかの病院やクリニックではなく、うちを選んだのか」という理由が明確で、かつ「自分の経験がどう活かせるか」が伝わる文章です。
地域のクリニックでは「患者さんに寄り添ってくれるか」「スタッフ同士で円滑にコミュニケーションをとれるか」「長く定着して働いてくれそうか」を重視する場合もあります。
「家から近いから」「夜勤がないから」といった自分都合の理由だけでなく、クリニックの理念や診療方針に共感したポイントを盛り込みましょう。
病院から地域のクリニックへ転職する
急性期病院などで忙しく働いてきた人が地域のクリニックへ転職する場合、患者さんとじっくり向き合いたい気持ちを前面に出すのが効果的です。
なぜクリニックの志望動機として、この地域を選んだのかを伝えましょう。
【例文】
これまで総合病院の〇〇科で〇年間勤務し、急性期の患者様のケアに携わってまいりました。
そのなかで、退院後の患者様の生活に寄り添い、長期的な健康管理をサポートする地域医療に深く貢献したいと考えるようになりました。
貴院の「患者様との対話を大切にし、地域に根ざした医療を提供する」という理念に強く共感しております。
これまでの経験で培った観察力やアセスメント能力を活かし、患者様が安心して通える温かい雰囲気作りに貢献したいと思い志望いたしました。

ブランクからの復職を目指す
子育てなどで数年のブランクがあることを、履歴書に記載するのに不安を感じる人は多いです。
しかし、ブランクは決してマイナスだけではありません。
大切なのは、復職に向けて準備をしている姿勢と、前向きに学ぶ意欲を伝えることです。
【例文】
出産・育児のため〇年間のブランクがありますが、子育てが落ち着き、再び看護師として社会に貢献したい思いが強くなり復職を決意いたしました。
貴院は地域の皆様のかかりつけ医として、予防接種から慢性疾患の管理まで幅広い医療を提供されており、その地域密着型の温かい医療に魅力を感じています。
ブランクがあるぶん、最初はご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、現在は復職支援セミナーに参加するなど知識のアップデートに努めております。
一日も早く貴院の即戦力となれるよう、謙虚な姿勢で学んでいく所存です。
子育てと両立しながらパートで働く
子育てとの両立を重視してパートの看護師として応募する場合、働ける時間に制限があることは誠実に伝えつつ、限られた時間でパフォーマンスを発揮する意欲をアピールします。
【例文】
これまで〇年間、内科病棟で勤務しておりましたが、出産を機に退職いたしました。
現在は子どもが保育園に入園し、育児と両立しながら再び看護の仕事に就きたいと考え、パートタイムでの勤務を希望しております。
貴院の求人を拝見し、スタッフ間の連携が取れた働きやすい環境であることに大変惹かれました。
限られた時間での勤務とはなりますが、これまでの病棟経験で培った迅速な判断力とコミュニケーション能力を活かし、ほかのスタッフの方々と協力しながら、貴院の円滑な診療に貢献したいと考えております。
医療事務など他職種へ挑戦・復帰する
体力の不安やライフスタイルの変化から、看護師資格を持ちながら医療事務や受付など、直接的な身体介助が少ない職種へ挑戦・復帰する人もいます。
この場合、看護師としての医療知識や患者対応の経験が強みになります。
【例文】
これまで看護師として〇年間勤務し、さまざまな患者様のケアに携わってまいりました。
ライフスタイルの変化や今後のキャリアを考えた結果、これまでの医療知識を活かして患者様をサポートし続けたいと考え、医療事務(受付)職を志望いたしました。
貴院の受付業務において、私の看護師としての知識や、不安を抱える患者様のお話を傾聴してきた経験は、患者様に安心感を提供するうえで役に立つと考えております。
レセプト業務などは未経験ですが、現在〇〇の資格取得に向けて勉強中であり、新しい業務にも意欲的に取り組んでまいります。

魅力を伝える!自己PRの書き方・例文

志望動機と並んで悩みがちなのが自己PRです。
特別なスキルや大きな実績がないと書けないと思いがちですが、日々の看護業務のなかで大切にしてきた姿勢は、立派な自己PRになります。
自己PRと志望動機の違い
志望動機は「なぜこのクリニックに入りたいのか(未来の意欲)」を伝えるもの、自己PRは「自分はどんな人間で、どう貢献できるのか(過去の経験と強み)」を伝えるものです。
両者が混ざらないよう、自己PRでは自分の性格的な強みや、仕事へのスタンスに焦点を当てて書きましょう。
コミュニケーション能力
看護師に求められるスキルの一つがコミュニケーション能力です。
単に人と話すのが好きというだけでなく、患者さんの不安をどう和らげてきたかという具体例を入れると説得力が増します。
【例文】
私の強みは、患者様の不安を汲み取るコミュニケーション能力です。
前職の病棟では、ご高齢の患者様が多くいらっしゃいました。
治療への不安から言葉数が少なくなる方もいらっしゃいましたが、私は毎日の検温やケアの際に、目線を合わせ、世間話を交えながらゆっくりとお話を伺うことを心がけました。
その結果「あなたと話すと安心する」というお言葉をいただくことも多くありました。
貴院においても、患者様が些細なことでも相談しやすい、安心感のある対応を心がけてまいります。
責任感やチームワーク
地域のクリニックは少人数で運営されるケースが多く、スタッフ同士のチームワークや協調性が重要視されやすいです。
周りを見て自発的に動ける姿勢をアピールしましょう。
【例文】
私の強みは、周囲の状況を把握し、チームのために自発的に動く協調性です。
以前勤務していたクリニックでは、繁忙期には外来が非常に混雑しました。
私は自分の担当業務だけでなく、受付の状況やほかのスタッフの動きを常に意識し、手が空いた際には積極的に備品の補充や患者様の誘導などのサポートに回るよう努めました。
チーム全体で協力し合うことで、待ち時間のクレームを減らすことにもつながりました。
貴院でも、周りとの連携を大切にし、スムーズな診療をサポートしたいと考えております。
経験や専門スキル
特定の科での経験や、採血・点滴などの手技の正確さは、即戦力として大きなアピールポイントです。
基本的な手技であっても、自信を持って記載して問題ありません。
【例文】
私の強みは、〇年間の内科外来勤務で培った正確かつ迅速な看護技術です。
患者様への負担をできるだけ軽減できるよう心掛けています。
また、医師の診察補助においても、次に何が必要かを先回りして準備することを心がけてきました。
これまでの経験とスキルを活かし、貴院の業務に一日も早く慣れ、即戦力として貢献したいと考えております。
まとめ|丁寧な履歴書で、あなたの魅力を伝えよう
履歴書作成には、思いのほか時間とエネルギーを使うものです。
「これで本当に合っているのかな」「ブランクがあるから落とされないかな」と不安になることもあるでしょう。
しかし、完璧なキャリアを持つスーパー看護師だけが求められるわけではありません。
患者さんに優しく寄り添う温かい人柄や、一緒に働くスタッフと助け合える協調性、「ここで長く働きたい」という誠実な思いも重要なポイントです。
丁寧に書かれた履歴書なら、あなたの魅力や思いは採用担当者に届きます。
自分のこれまでの経験を振り返り、あなたらしさが伝わる履歴書を作りましょう。

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