「子どもとの時間をもっと大切にしたいけれど、仕事も続けたい」
「夜勤や残業が多くて、体力的にも精神的にも限界を感じている」
このように、子育てと看護師の仕事の両立に悩む人は少なくありません。
命を預かる現場では、どうしても勤務時間が不規則になりがちです。
しかし、働き方を少し見直すだけで、心と体にゆとりを持ちながら、これまでのキャリアを活かして働き続ける道はあります。
本記事では、子育て中のママ看護師でも無理なく働ける勤務形態や、職場選びのポイントをご紹介します。
今すぐ何かを変えなければいけないわけではありません。
まずは「こんな働き方もあるんだ」と、自分の選択肢を広げるためのヒントにしてみてください。
子育てと仕事の両立に悩むママ看護師のリアル

看護師は、やりがいが大きい反面、心身への負荷も高い仕事です。
そこに子育てが加わると、日々の生活は想像以上にハードでしょう。
まずは、多くのママ看護師が抱えやすいリアルな悩みを見ていきます。
同じような悩みを抱えているのは、あなただけではありません。
夜勤や残業による体力的な負担
ママ看護師にとって大きな壁となりやすいのが、夜勤や残業による体力的な負担です。
病棟勤務で夜勤をこなしている場合、夜勤明けで疲れた体のまま子どものお迎えに行き、休む間もなく夕食の準備や寝かしつけをしなければならない日もあるでしょう。
慢性的な睡眠不足が続くと、仕事中の集中力が途切れそうになり、ヒヤリ・ハットにつながるのではないかと不安を抱える人も少なくありません。
また、予期せぬ急変や記録業務で残業が発生すると、お迎えの時間に遅れてしまう焦りから、精神的なストレスも蓄積されます。
仕事と家庭のスイッチを切り替える余裕がなく、ただ毎日を乗り切るだけで精一杯な人が多いのが現状です。
子どもの急な発熱で休むことへの罪悪感
保育園からの突然の呼び出しや朝起きた時の子どもの発熱は、子育て中であれば避けられない出来事ですが、仕事をする親にとっては悩ましい問題です。
人員体制がギリギリの職場で働いている場合「今日休んだら、ほかのスタッフにどれだけ迷惑がかかるだろうか」と、職場への申し訳なさで胸がいっぱいになるかもしれません。
師長や同僚に謝りながら欠勤の連絡を入れるたびに、罪悪感にさいなまれるという声はよく聞かれます。
「もっと子どものそばにいてあげたい」という親としての思いと「看護師としての責任を果たしたい」という職業倫理の間で板挟みになり、働き方を見直す人もいます。
家族との時間が取れないジレンマ
土日祝日や年末年始などのカレンダーに関係なくシフトが組まれる職場では、家族と休みを合わせることが難しくなります。
「子どもの運動会や授業参観に行けない」「週末に家族で出かける予定が立てられない」といった状況が続くと、子どもに寂しい思いをさせているのではないかと悩むこともあるでしょう。
また、パートナーとのコミュニケーション不足により、家事や育児の分担がうまくいかず、自分一人に負担が集中するケースも珍しくありません。
大切な家族のために働いているはずなのに、家族との時間が犠牲になるというジレンマは、多くのママ看護師が抱える切実な悩みといえます。
子育てと両立しやすい!ママ看護師の働き方の選択肢
今の働き方に限界を感じている場合、勤務形態を変えると状況が改善する可能性があります。
看護師の資格や経験は一生の財産であり、自分のライフステージに合わせて、働き方を柔軟に選べるのは大きな強みです。
ここでは、子育てと両立しやすい3つの働き方をご紹介します。
制度を利用して働く「時短勤務」
現在の職場で働き続けたいと考えた時、真っ先に検討したいのが時短勤務制度の利用です。
時短勤務とは、1日の所定労働時間を原則6時間とする制度で、3歳未満の子どもを養育する労働者が利用できます(職場によっては小学校入学前までなど、独自の規定を設けている場合があります)。
出勤時間や退勤時間をずらせるため、保育園の送迎がスムーズになり、夕方のバタバタとした時間帯に少し余裕が生まれます。
慣れ親しんだ職場でキャリアを継続できる安心感は、大きなメリットです。
一方で、勤務時間が短くなるぶん、給与の減少や、時間内に業務を終わらせるためのプレッシャーに戸惑う人もいます。
利用を検討する際は、職場の理解やサポート体制について事前に確認しておくと安心です。
ライフスタイルに合わせやすい「パートタイム・アルバイト」
家庭を最優先に考えたい時期には、パートタイムやアルバイトという働き方も有力な選択肢です。
パートタイムは「週に2〜3日だけ」「午前中のみ」といったように、自分の希望に合わせてシフトを調整しやすいのが特徴です。
たとえば、子どもが幼稚園や小学校に行っている間だけ働くといったスタイルも選べます。
看護師のパートタイムの求人は多く、さまざまな勤務時間帯の募集が見つかるでしょう。
正職員に比べて業務の責任範囲が限定される職場が多く、精神的な負担を軽減できるメリットもあります。
収入は勤務時間に応じて変動しますが、ワークライフバランスを重視するママ看護師にとっては、心にゆとりを持てる働き方といえるでしょう。
安定とプライベートを両立「日勤のみ(常勤)」
「収入は安定させたいけれど、夜勤はどうしても難しい」という人には、日勤のみの常勤という働き方が適しています。
病棟での日勤のほか、外来やクリニック、訪問看護、デイサービスなど、そもそも夜勤のない職場を選べば実現できます。
夜勤なしの看護師として働けば、生活リズムが整い、体調管理もしやすくなるでしょう。
夜は毎日自宅で子どもと一緒に過ごせるため、家族との時間もしっかり確保できます。
ただし、日勤のみの場合は夜勤手当がつかないため、夜勤ありの働き方と比べると給与は下がる傾向にあります。
家計のバランスを見ながら、生活を維持するのに必要な収入をあらかじめ計算することが大切です。

子育て中の看護師におすすめの職場とは?
働き方だけでなく、職場環境を変えると悩みが解決することもあります。
医療の現場は病院だけではありません。
地域社会のなかには、看護師のスキルを必要とし、かつ子育てに理解のある職場があります。
ここでは、ママ看護師が無理なく働きやすいおすすめの職場を3つピックアップします。
地域密着で働きやすい「クリニック・診療所」
子育てと両立しやすい職場の代表格が、地域に根ざしたクリニックや診療所です。
クリニックは基本的に日中のみの診療であるため、夜勤がありません。
また、木曜日の午後や日曜日、祝日が休診日の病院が多く、家族とスケジュールを合わせやすいのが大きな魅力です。
通勤時間が短い自宅近くのクリニックを選べば、保育園への送迎もよりスムーズになるでしょう。
また、クリニックで働く看護師は子育て経験のある人が多い傾向にあります。
そのため、ママ看護師への理解が深く、お互い様の精神で助け合える環境が整っている職場が多いのも特徴です。
やりがいと両立を叶える「訪問看護ステーション」
住み慣れた自宅で療養する患者さんをサポートする訪問看護ステーションも、ママ看護師から人気です。
訪問看護の仕事は、基本的に日中の時間帯に行われます。
オンコール(緊急対応のための待機)のある職場もありますが、オンコールなしの求人や、パートタイムであれば免除されるケースも多く見られます。
また、1件あたりの訪問時間が決まっており、スケジュール管理がしやすく、残業が発生しにくい点もメリットです。
患者さん一人ひとりとじっくり向き合えるため、本来の看護の楽しさややりがいを再発見できる職場でもあります。
直行直帰が認められているステーションもあり、時間を有効に使いたい人におすすめです。
子育て支援制度が充実している「病院・施設」
病院などの規模の大きな施設で働きたい場合は、子育て支援制度の充実度を重視しましょう。
たとえば、院内保育所(託児所)が完備されている病院であれば、子どもと一緒に通勤でき、お迎えの時間を気にする必要がありません。
病児保育に対応している施設であれば、急な子どもの体調不良時にも安心です。
また、産休・育休の取得実績が豊富で、復職後もママ看護師が多数活躍している病院は、子育てへの理解が職場全体に浸透している証拠です。
大きな施設では福利厚生がしっかりしています。
そのため、長期的なキャリア形成を見据えながら、安定した環境で両立を目指す人に向いています。
地域医療の最前線「クリニック」で働くメリット

さまざまな選択肢のなかでも、とくにおすすめしたいのがクリニックでの勤務です。
病棟勤務とは異なる、クリニックならではのメリットを詳しく掘り下げてみましょう。
夜勤がなく、日祝が休みになりやすい
クリニックで働く大きなメリットは、規則正しい勤務時間と休日です。
夜間診療のない一般的なクリニックであれば、夜勤の負担から解放されます。
また、カレンダー通りの休日や、あらかじめ決まった固定の曜日が休みになるため、先の予定が立てやすくなるでしょう。
「来月のシフトが出ないと家族旅行の計画が立てられない」といったストレスがなくなるのは、生活の質を向上させます。
しっかり休んでリフレッシュできる環境であれば、心身の健康を保ち、笑顔で子どもと向き合える日々が送れるでしょう。
地域住民との関わりが深く、アットホームな環境
クリニックは、患者さんにとってもっとも身近な医療機関です。
かかりつけ医として、顔なじみの患者さんと長く深い信頼関係を築けるのは、看護師としての大きな喜びとなります。
「〇〇さん、こんにちは。今日はどうされましたか?」といった日常的な会話からはじまり、患者さんの生活背景まで理解したうえで寄り添う看護が実践できます。
大規模な病院のように、次々と異なる患者さんの対応に追われる慌ただしさは少なく、温かくアットホームな雰囲気のなかで働けるでしょう。
スタッフは比較的少人数であるため、風通しが良く、コミュニケーションが取りやすい環境なのも魅力です。
ブランクのある看護師も復職しやすいサポート体制
出産や育児でしばらく現場を離れていた人にとって、ブランクからの復職には勇気がいります。
「最新の医療機器が使えるだろうか」「手技の感覚を取り戻せるだろうか」といった不安を抱える人も多いでしょう。
しかし、地域のクリニックの多くは、これまでに培ってきた基本的な看護技術や、患者さんへの温かいコミュニケーション能力を評価します。
最新の高度な医療技術よりも、日常的な処置や思いやりのある対応が求められる機会が多く、ブランクのある看護師も比較的復帰しやすい環境といえるでしょう。
また、入職後には先輩スタッフが丁寧にフォローしてくれるなど、復職を歓迎し、サポートする体制を整えているクリニックもあります。

ブランクからの復職への不安を解消するために
「子育てが少し落ち着いたから、また看護師として働きたい」と考えていても、数年のブランクがあるといざ行動を起こすのをためらうかもしれません。
ここでは、復職に向けた不安を少しでも和らげるための方法をご紹介します。
医師会や看護協会が開催する復職支援セミナーを活用する
看護の知識や技術に対する不安を解消するためには、公的な機関が主催しているサポートを活用するのが一番の近道です。
各都道府県の看護協会や、地域の医師会などでは、離職中の看護師を対象とした「復職支援セミナー」や「技術研修」を定期的に開催しています。
採血や注射、急変時の対応といった基本的な手技のおさらいから、最新の医療情報の共有まで、現場に復帰するための実践的な内容を学べます。
同じようにブランクを経て復職を目指す仲間と出会える場でもあり「不安に思っているのは自分だけじゃない」と前向きな気持ちになれるはずです。
週数日のパートタイムからはじめて体を慣らす
いきなりフルタイムの常勤として復帰するのではなく、まずは短時間のパートタイムからはじめて、少しずつ体と心を仕事モードに慣らすアプローチも有効です。
「週2日の午前中のみ」といった無理のないペースからスタートし、仕事の感覚を取り戻しながら家庭内の生活リズムを整えます。
最初は疲労を感じるかもしれませんが、慣れてきたら勤務日数を増やしたり、ゆくゆくは常勤への切り替えを相談したりしても良いでしょう。
焦らず、自分のペースを大切にすることが、長く働き続けるための秘訣です。
面接時に子育ての状況を正直に伝える
復職に向けて求人に応募する際、面接の場では、子育て中であることや家庭の状況について、包み隠さず正直に伝えましょう。
「保育園の送迎があるため、残業は難しい」「子どもがまだ小さく、急に熱を出す可能性がある」といった事情をあらかじめ伝えておくと、入職後のミスマッチを防げます。
理解のある職場なら、現状を踏まえたうえで、無理のない働き方を提案してくれるはずです。
逆に、家庭の事情に難色を示す職場であれば、入職後に苦労する可能性が高いため、早い段階で見切りをつけても良いでしょう。

働きやすさを重視!求人選びのチェックポイント
働き方の方向性が見えてきたら、次は具体的な求人を探します。
長く安心して働き続けるためには、給与や勤務地だけでなく、職場環境のチェックが重要です。
ママ看護師が求人選びで重視すべき3つのポイントを解説します。
ママ看護師が活躍している実績があるか
まずは、実際に子育て中のママ看護師が活躍しているかどうかを確認しましょう。
求人票に「子育て中の方歓迎」「ママさんナース活躍中」といった記載があるかどうかが一つの目安です。
可能であれば、面接や職場見学の際に「現在、子育てをしながら働いている看護師さんはどのくらいいらっしゃいますか?」と直接質問してみるのもおすすめです。
同じような境遇のスタッフが多い職場であれば、子どもの行事による休み希望の調整や、急な欠勤時への対応などで、理解を得やすい環境が整っていると考えられます。
有給休暇やお互い様の風土があるか
休みを取りやすい雰囲気があるかどうかも、重要なチェックポイントです。
有給休暇の消化率が高い職場は、スタッフのプライベートな時間を尊重している証拠です。
また、子どもの急病などで休まざるを得ない時に「お互い様だから気にしないで」と快くフォローし合える風土があるかどうかは、精神的な働きやすさに直結します。
見学の際にスタッフ間のコミュニケーションの様子を観察したり、面接で急な休みの際のサポート体制について確認したりして、助け合いの精神が根付いている職場かを見極めましょう。
自宅から通いやすいか
子育てとの両立を考えるうえで、通勤時間の短さは外せない要素です。
片道1時間かかる職場と、15分で通える職場では、1日のなかで使える時間に1時間半もの差が生まれます。
通勤による肉体的な疲労も軽減されるため、自宅や保育園、小学校などから通いやすい生活圏内で求人を探すのがおすすめです。
地域密着のクリニックや施設であれば、自転車で通える範囲で条件に合う職場が見つかる場合も多いでしょう。
通勤時間の短縮は、心と時間のゆとりにダイレクトにつながります。
まとめ|子育てと看護師の仕事を両立できる働き方を見つけよう
今の働き方につらさを感じているのは、働き方を見直すサインかもしれません。
時短勤務やパートタイムへの切り替え、あるいは夜勤のないクリニックへの転職など、あなたらしく働ける選択肢はあります。
大切なのは、一人で抱え込まず、自分のライフステージに合った無理のない働き方を選ぶことです。
ブランクがあっても、ママ看護師としての経験や温かな対応力は、医療現場で必要とされます。
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