今の働き方に悩み「夜勤のない職場で働きたい」「もっとワークライフバランスを大切にしたい」と考えていませんか?
医療現場で働く人のなかには、不規則なシフトや忙しさから、今後のキャリアや家庭との両立に不安を感じる人も少なくないでしょう。
そうした悩みを持つ人の選択肢の一つが、医療事務です。
とくに多くのクリニックでの勤務は、日勤のみで予定が立てやすく、子育てやブランクからの復職先としても人気があります。
とはいえ「実際のところ、どのようなスケジュールで動くのだろう」「自分にもできる仕事なのだろうか」と疑問に思うかもしれません。
この記事では、医療事務の仕事内容や一日の流れ、クリニックと病院の働き方の違いについて解説します。
まずは医療事務がどのような一日を過ごしているのかを知り、自分のライフスタイルに合った無理のない働き方を見つけましょう。
医療事務の主な仕事内容

医療事務の仕事は、単なる事務作業にとどまりません。
来院した患者さんと最初と最後に関わる「医療機関の顔」としての役割があり、安心感を与えるための細やかな気配りが求められます。
ここでは、主な4つの仕事内容について解説します。
受付・窓口業務
医療事務の仕事のなかでも、患者さんともっとも多く接するのが受付・窓口業務です。
具体的には、来院した患者さんから診察券や健康保険証を受け取り、カルテや電子カルテの準備、問診票の記入案内などをします。
受付は、病院やクリニックの第一印象を決める重要なポジションです。
体調が悪く不安な気持ちを抱えて来院する患者さんにとって、受付スタッフの明るい笑顔や優しい声かけは、大きな安心につながります。
はじめて来院した人には院内の案内をしたり、待ち時間が長くなっている人には「あと〇番目くらいですよ」と声をかけたりするなど、状況に応じた臨機応変な対応が求められます。
特別な医療知識がなくても、これまでの人生経験や社会人経験で培った、相手を思いやる気持ちやコミュニケーションスキルがそのまま活かせる、やりがいのある業務です。
会計業務
会計業務も、医療事務の重要な仕事の一つです。
医師の診察が終わり、患者さんが帰る際に、診療内容に基づいて医療費を計算し、自己負担分を請求し受け取ります。
近年では、電子カルテやレセプトコンピューター(レセコン)が普及しているため、複雑な計算をすべて手作業で行うわけではありません。
コンピューターが診療内容をもとに医療費を算出するため、手作業で計算する場面は少なくなっています。
そのため、パソコンの基本的な入力操作ができれば、過度に難しく考える必要はありません。
金銭を取り扱うため正確さが求められる業務ですが、同時に「お大事になさってください」という言葉をかけるなど、患者さんが安心して帰宅できるような配慮も大切です。
また、次回の予約を取ったり、処方箋を渡して近隣の調剤薬局を案内したりするのも会計窓口の役割です。
クラーク(診療補助)業務
クラーク業務とは、医師や看護師が診察や治療に専念できるよう、事務的なサポートをする仕事です。
クリニックや小規模な病院では、受付や会計と兼任するケースが多く見られます。
具体的には、診察室への患者さんの呼び込みや次回の検査の予約手配、紹介状などの文書作成の補助などが挙げられます。
医師や看護師と直接やり取りをする機会が多いため、医療スタッフ間の円滑なコミュニケーションを支える橋渡し役ともいえるでしょう。
医療事務がクラーク業務を担うと、医師や看護師は患者さんに向き合う時間を増やせます。
縁の下の力持ちとして、医療現場に貢献している実感を得やすい業務です。
レセプト(診療報酬請求)業務
医療事務特有の専門的な仕事として挙げられるのがレセプト業務です。
レセプトとは「診療報酬明細書」のことで、患者さんが受けた診療内容や処方された薬などの点数が記載された書類を指します。
日本の医療保険制度では、患者さんが窓口で支払うのは医療費の1〜3割程度です。
残りの7〜9割は、各医療機関が健康保険組合や市町村などの保険者に請求して受け取ります。
この請求のために必要なのがレセプトの作成と点検です。
前月分の診療報酬についてレセプトを作成・点検し、翌月に審査支払機関へ請求します。
医療機関の収入を左右する大切な仕事のため、正確な知識と確認作業が必要です。
最初は覚えることが多いかもしれませんが、実務を通して少しずつ知識を身につけられます。
【施設別】医療事務の一日の流れ・スケジュール
医療事務の実際の働き方を見ていきましょう。
医療事務の一日スケジュールは、勤務先によって異なります。
ここでは、クリニックと総合病院・中規模病院の一般的な一日の流れをご紹介します。
地域密着型クリニック
地域密着型のクリニックは、診療時間が午前と午後に分かれる場合が多く、間に長めの昼休みがあるのが特徴です。
スタッフの人数が限られているため、医療事務が受付から会計、レセプト業務まで幅広く担当する傾向にあります。
【一般的な一日の流れ(例)】
出勤・開院準備(院内の掃除、レセコンの立ち上げ、予約の確認など)
午前診療開始(受付、保険証確認、カルテ準備、会計対応)
午前診療終了・昼休み
※多くのクリニックでは2時間程度の休憩があり、
一度帰宅して家事を済ませたり、
買い物に出かけたりと比較的自由に過ごせる職場もあります。
午後診療開始(午前と同様に、患者さんの対応)
午後診療終了・片付け(レジ締め、翌日の予約確認、院内の清掃)
退勤
クリニックは地域に住む患者さんが日常的に通う場所です。
「〇〇さん、今日は調子どうですか?」といった会話が生まれる場合も多く、アットホームな雰囲気のなかで働けるのが魅力です。
総合病院・中規模病院
総合病院・中規模病院の場合、多くの患者さんが来院するため、医療事務の業務も、初診受付や会計、入退院窓口など、細かく分業されているのが一般的です。
また、診療時間が長い場合や救急外来がある病院では、早番・遅番などのシフト制が導入されている場合もあります。
【一般的な一日の流れ(外来受付担当・日勤の場合)】
出勤・朝礼(各部門との連絡事項の共有など)
受付開始
診療開始(患者さんの案内や問い合わせ対応、必要書類の準備など)
昼休み(交代制で1時間程度の休憩)
午後診療開始
受付終了(翌日のカルテ準備、書類の整理)
業務終了・退勤
病院勤務の場合は、多くのスタッフと連携しながらスピーディーに業務をこなすスキルが身につきます。
また、規模が大きいため、福利厚生が充実している傾向があるのも特徴といえるでしょう。
クリニックと病院の働き方はどう違う?
クリニックと病院では、働き方や求められるスキルに違いがあります。
まず、業務の幅広さです。
クリニックの医療事務は、受付から会計、レセプトまで全体を見渡して幅広い業務を担当します。
一方、病院の医療事務は分業化されているケースが多いため、特定の業務に専念して専門性を高める働き方です。
また、休憩時間の過ごし方にも違いがあります。
一般的にクリニックは昼休みが長く中抜けできるため、一度家に帰って夕飯の仕込みをするといった働き方が可能です。
病院は、交代で1時間の休憩をとるケースが多い傾向にあります。
さらに人間関係では、少人数でアットホームなクリニックに対し、病院は部署間の調整など多くの人と関わりながら仕事を進めます。
どちらが良いというわけではなく、自分の性格や理想のワークライフバランスによって、最適な職場は変わるといえるでしょう。
子育てやブランク復職にクリニックの医療事務がおすすめな理由
医療業界での復職や転職を考える際「夜勤はもう難しい」「子育てと両立できるか不安」という声をよく耳にします。
とくにブランクからの復職を目指す人や子育て中の人には、地域密着型クリニックの医療事務という選択肢がおすすめです。
なぜクリニックの医療事務が選ばれるのか、3つの理由を解説します。
ワークライフバランスが保ちやすい
クリニックの医療事務がおすすめな大きな理由は、ワークライフバランスが保ちやすい点です。
病棟を持つ病院とは異なり、無床のクリニックであれば夜勤はありません。
診療時間が決まっているため、極端に遅い時間までの勤務が発生しにくく、規則正しい生活を送れます。
また、日曜日や祝日、木曜日などを休診日とするクリニックが多いため、固定の休みが確保しやすく、家族との予定や自分のための時間を計画的に作りやすいのもメリットです。
日勤のみでカレンダー通りに休みが取れるクリニックの環境は、心身の負担を減らし、長く働き続けるための大きな安心材料になるでしょう。
午前のみ・午後のみなど柔軟な働き方が選びやすい
柔軟な働き方が選びやすい点も、子育て中の人やブランクがある人にクリニックが選ばれる理由です。
クリニックの求人は、正社員だけでなく、パートタイムで募集している場合も多くあります。
「子どもが幼稚園に行っている午前中だけ働きたい」「扶養の範囲内で週3日だけ勤務したい」など、ライフステージに合わせたシフトの希望が通りやすい傾向にあります。
とくにブランクのある人は、いきなりフルタイムで復帰することに不安を感じるかもしれません。
まずは無理のない範囲のパートタイムからスタートし、仕事の勘を取り戻しながら少しずつ勤務時間を増やすといったステップを踏めるのも、クリニックならではの良さです。
地域の人との関わりのなかでやりがいを感じられる
地域の人々との関わりのなかで仕事ができるのも、クリニック勤務の大きな魅力です。
クリニックには、近所に住む小さな子どもから高齢者まで、幅広い年代の患者さんが通ってきます。
顔なじみの患者さんが増えると「〇〇さん、おはようございます」「今日は少し顔色が良いですね」といった自然なコミュニケーションが生まれます。
患者さんから直接「ありがとう」「ここで話を聞いてもらうと安心するわ」と声をかけてもらえることは、やりがいになるでしょう。
事務的な処理能力だけでなく、自分の人柄や思いやりが直接患者さんの安心につながるため、地域医療に貢献している実感を持って働けるはずです。

医療事務の働き方に関するよくある疑問
いざ医療事務への転職や復職を考えた際に、現実的な働き方について不安な点があるかもしれません。
応募前に少しでも疑問を解消できるよう、よくある3つの質問にお答えします。
- 残業はどのくらいありますか?
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診療終了後の患者さん対応などで残業が発生することはありますが、病棟勤務と比べると比較的少ない傾向にあります。
診療時間が決まっているため、普段の日は定時で帰れることが多いでしょう。
ただし、レセプト期間などの繁忙期は残業が発生する場合があります。
面接や見学の際に「レセプト期間の残業はどの程度か」「忙しい時期の体制はどうなっているか」を事前に確認しておくと、入職後のギャップを防げます。
- 未経験やブランクがあっても働けますか?
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医療事務は、未経験からでも、長年のブランクがあっても挑戦できる仕事です。
医療事務として働くために絶対に必要な国家資格はありません。
もちろん、レセプト業務などの知識はあるに越したことはありませんが、多くのクリニックでは入職後に先輩スタッフが丁寧に教えてくれるサポート体制を整えています。
大切なのは、患者さんに寄り添う姿勢や丁寧に業務に取り組む責任感です。
- 人間関係が不安です。働きやすい職場の見つけ方は?
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働きやすい職場を見つけるコツは、応募する前に職場の雰囲気をできる限り知ることです。
求人情報を見る際は、条件面だけでなく、院長の診療方針やスタッフへの思いが書かれているかもチェックしてみましょう。
また、可能であれば面接前に職場見学を申し出て、待合室の雰囲気や、スタッフ同士がどのように声を掛け合っているかを実際に見てみるのもおすすめです。
まとめ|医療事務の一日の流れを知って、自分に合う働き方を見つけよう
医療事務の仕事は、朝の開院準備から患者さんの受付・会計、レセプト業務など、時間帯や時期によって忙しさの波があります。
しかし、一日の流れを事前に把握しておくと、生活リズムがイメージでき、復職や転職への不安は軽減されるでしょう。
「子育てと両立できるか不安」「夜勤のない働き方に変えたい」「ブランクがあって自信がない」という人も焦る必要はありません。
医療事務は、午前のみ・午後のみといったパート勤務など、シフトの選択肢が豊富な傾向にあります。
自分のライフステージの変化に合わせて、無理のない一日の流れで働ける職場が見つかるはずです。
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